こんにちは!北浦和のパーソナルジムBest-Health Fitness代表の増田です。
健康指導者としてよく聞かれる質問で、
「炭水化物は太るから抜いています」
「○○というジムでは糖質制限を行なっていますが痩せますか?」と言うのがとても多いです。
実は、『科学業界でも決着がまだついていない分野』
それどころか、言葉の定義や前提条件が曖昧なまま議論されている事が多いのが現状です。
つまり、先ほどの質問に対して即座に「はい/いいえ」で答えることが出来ません。
例えば、卵は良質なタンパク質だから私も食べた方がいいですか?と聞かれたらどうですか?
聞いた本人が卵アレルギーの場合は「いいえ」になりますよね。
それにどのくらいの量を食べるのかと言うところも重要になります。
つまり、知識(今回の場合、「卵アレルギー」について)がないと健康被害を受けることもあります。
つまり、「糖質制限は痩せるらしいよ」という知識だけで行うのはあまりにも危険ということです。
糖質制限は必要?不必要?
私の結論をお伝えすると、糖尿病患者ではない健康的な日本人に関しては、「糖質制限は定義が曖昧であり、炭水化物はむしろ積極的に摂取し食事の大半を占めるべき。糖質の種類や加工方法については制限を考えるべき」と考えます。
この結論に対し、「はっきりしない」と感じる方が大半かと思います。
ですが、日本人の性格上はっきりしたいという方が多い。
ゆえに、「糖は身体を滅ぼす」「炭水化物を抜くと若返る」など極端な意見が注目されてしまいます。
万人に当てはまるのなら、この世で健康被害に悩む方は0になるでしょうね。
健康被害で悩まないために重要なのが、『パーソナル(個別的)な指導を受ける』または、『自分の身体としっかり向き合い、知識をつけた上でベストな選択を行う』事です。
ぜひ、信頼できる知識を見つけてみてください!
では、炭水化物とはどんな栄養素?
炭水化物と呼ばれるものは、穀物・芋類・豆類などから作られたお菓子にも含まれる栄養素であり、植物や動物にとってのエネルギー源となっていたり、組織の構造を担うもの(植物の細胞壁である食物繊維など)です。
では、炭水化物の構成はというと・・・
炭水化物=糖質+食物繊維
となっています。
ここで面白いのが、実は糖質も食物繊維も構成材料は『糖(ブドウ糖や果糖)』なのです!
しかし、結合の様式などの違いから消化過程に差が出ます。
まず、糖質というのは人間の消化酵素でほぼ完全に分解でき、エネルギーとして利用できる物質の総称です。
逆に食物繊維はそれ以外、つまり人間の身体ではあまり消化もエネルギー利用もされない物質の総称です。
最近の調査では、食物繊維の少ない食事が大腸癌含め様々な生活習慣病のリスクとなることがわかっています。
また、腸内細菌にも注目が集まっていますが、その腸内細菌のエサとなるのが食物繊維などの未消化性の炭水化物です。
これらのことから、炭水化物は私たちにとって欠かせない物であり制限することがいかに不健康への近道となるかを分かっていただけるかと思います。
日本やアメリカ、WHOなどありとあらゆる世界で炭水化物の摂取は摂取カロリーの大半を占めることが望ましいとガイドラインで定められているくらい重要な栄養素なのです。
炭水化物と低脂肪どちらが痩せる?
NIH(アメリカ衛生研究所)の研究者が行った2017年のメタアナリシス(過去の質の高い研究を統計的に定量分析したもので、一般的に最も論文としてのレベルが高いとされるもの)では、同じ摂取カロリーで炭水化物と脂質の比率が異なる食事をした32件の研究を分析した結果、「炭水化物を減らすよりも脂肪を減らしたほうが、より脂肪が減りやすく、エネルギー消費量も高まる」と結論づけています。
また、この研究では「食事の成分と体組成計との関係を熱力学的に考察すると、必ずしもカロリーはカロリーとは言えない」と指摘されている上に、「低炭水化物で高脂質の食事は、インスリンの分泌を抑えて消費カロリーを増やした結果カロリー制限せずに痩せられると言われているが、残念なことに実験的なエビデンスは代謝上の有利性を支持していない」とも述べています。
炭水化物の『質』が重要
次は、ダイエットにおける糖質制限について解説します。
まず、「糖質を制限すると痩せるの?」という疑問に関してですが、一部Yesと答えられても「痩せるために糖質制限を行なったほうがいい」と肯定まではできません。
糖質の中にも良質なものとそうでないものがあるからです。
例えば、糖質の中には植物性のでんぷん質が含まれますが、最近の試験では、でんぷんの豊富な全粒穀物の摂取が体重を減少させる効果が示されています。
さらに、糖尿病の治療にも有益であることが示されています。
以上のことから、「糖質の量よりもどんな食材から摂取するのかと言う『質』が重要」と考えられます。
糖質の中でもさらに『質』が重要
ご存知の方もいるかと思いますが、実は糖質も細かく分類することが出来ます。
糖質=単糖類(ブドウ糖等)+二糖類(砂糖等)+小糖類(所謂オリゴ糖等)+多糖類(でんぷん等)+その他
この中でも下位分類される純粋な糖類(砂糖・ブドウ糖などの単糖類や二糖類)の制限は私も肯定しています。
このような小分子の塔が自然食品に精製された形で含まれていることは稀(植物の果糖は細胞壁と細胞膜に包まれている)で、代謝異常を引き起こす可能性が高いため、加工食品や精製飲料水の原材料名に「糖類(ブドウ糖、砂糖、麦芽等、果糖、ブドウ糖、液糖等)」の表示があればなるべく避けることが重要です。
糖尿病学会ガイドラインでも”果糖(果物)は一定量まで糖尿病に影響を与えない。”と述べられています。
果物も果糖が多いと言う理由で避けられることが多いですが、糖尿病の方も少しなら大丈夫、一般の方なら偏食にならない程度に量を食べても大丈夫です。
食物繊維は水溶性と不溶性に分かれます。
水溶性の食物繊維は主に果物や野菜に含まれるペクチン・昆布などの海藻などのヌルヌルするアルギン酸などが水溶性に分類され、硬くなった便を柔らかくする働きなどあります。
メインの摂取食材は海藻類からとなります。
不溶性の食物繊維は主に植物の細胞壁を構成するセルロースやヘミセミロース、リグニンなどを指します。
こちらは便の量を増やす働きがあります。
メインの摂取食材はキノコ類・穀物・根菜類などです。
まとめ
ここまでで、私の結論は『(糖尿病でない限りは)糖質制限は必要ない』とわかっていただけたかと思います。
では、簡単に糖質を含む炭水化物についてまとめたいと思います。
上図のように、炭水化物は『糖質』と『炭水化物』の2つに大きく分かれる。
さらに『糖質』は単糖類・二糖類・小糖類・多糖類の4つに分類される。
【糖質】
・小糖類と多糖類は基本的に制限する必要はないが、白米より玄米。小麦粉より全粒粉のようになるべく茶色の精製されていない食品から摂取しましょう。
【食物繊維】
・小糖類と多糖類は基本的に制限する必要はないが、白米より玄米。小麦粉より全粒粉のようになるべく茶色の精製されていない食品から摂取しましょう。
1日20gの摂取を目標にしましょう!
北浦和にあるパーソナルジムBest-Health Fitnessでは、このような内容をまとめたPDFを用いて栄養についても詳しくなることが可能です!
ご自身だけでなく、一緒に住むご家族の健康状態も良くなるパーソナルジムへ一度お越しいただければと思います!